新株発行差止仮処分、東京高裁決定の抜粋

新株発行差止仮処分命令申立に関する東京地裁の却下決定に対し、創業家らがなした即時抗告についての東京高裁の抗告棄却決定のうち、原決定の判断を実質的に変更した部分について、決定書の【当裁判所の判断】を抜粋したものを公開いたします。
なお、マーカーは当職が引いたものであり、決定書には引かれていません。

第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,本件申立てはいずれも理由がないからこれらを却下するのが相当であると判断する。その理由は,次の2のとおり当審における抗告人らの主張に対する判断を付加するほかは,原決定の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」及び「第4 結論」に記載のとおりであるから,これを引用する。【省略】
2 当審における抗告人らの主張に対する判断
⑴ 【省略】
⑵ 【省略】公募により新たに株主となる者においても,そのほとんどが相手方経営陣の提案に賛成するとは限らないのであるから,第三者割当増資の場合に比して相手方経営陣に反対する株主らの支配権を減弱させる確実性が弱いといわざるを得ず,そうであるとすれば,月岡社長ら相手方経営陣の全部又は一部に株主を巻き込んだ相手方の支配権をめぐる実質的な争いにおいて自らを有利な立場に置くとの目的が存在したものと一応認められるとしても(【省略】),当該目的が新株発行の唯一の又は主要な目的であるか否かを判断するに当たっては,公募増資の上記のような制約ないし事情を考慮する必要があるというべきである。
 【省略】
⑶ 【省略】そして,本件新株発行後,直ちに株主総会が開催され,昭和シェルとの合併が議題になることをうかがわせる疎明資料がないことは,前記1⑴のとおり原決定を訂正して説示したとおりである。
 【省略】
⑷ 【省略】
3 よって,原決定は相当であり,本件抗告はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主文のとおり決定する。